新しい銀行 new bank 2003 8 21

 最近、新しい銀行を作るという話題で、盛り上がっていますね。
このような話がでてくるのは、日本において、本当の意味で、
中小企業向けの銀行、庶民向けの銀行がないということでしょう。
そこで、私も、新しい銀行について、ひとつアイディアを考えました。
そのアイディアとは、
 富裕層向けに、スイスの銀行に似たものを作る。
 庶民向けに、イスラム銀行に似たものを作る。

 スイスの銀行については、誰でも知っているでしょうが、
それに付加機能をつけるのです。
その付加機能とは、個人の資産管理に、高齢者向けの銀行機能をプラスしたものです。
スイス銀行+高齢者銀行。
 人間は、いくら優秀な人間でも、高齢者となれば、
資産管理が困難になります。また財産行為が困難になります。
さらに、本人が気づかないうちに、痴呆が進んでいる場合もあります。
 本人の意志能力が低下した時に、本人に代わって、
財産管理や財産行為をする銀行です。
つまり、銀行が、本人の後見人になるのです。

 次に、イスラム銀行とは、
概要は、8月18日のイスラム銀行の記事を読んでください。
このイスラム銀行は、イスラム社会では、成功しています。
 イスラム銀行に似たものとは、
預金しても利子がつかない、お金を借りても利子がつかない、
無利子の銀行です。
 集めたお金で、事業に投資したり、資金を運用して、利益をあげます。
利益がでれば、銀行の運営費を除いて、預金者に配分します。
株式会社の配当金のようなものです。
 こういう形態の銀行が、イスラム世界では、成功したのです。
日本でも、努力すれば、可能であると思います。
こういう形態の銀行が、本当の庶民向けの銀行だと思います。

 次に、売掛債権担保融資という制度を充実させるべきです。
この制度は、欧米では、一般的な制度と聞きます。
 過去に記事から。
「新しい資金調達方法」
 日本の総合商社が、工務店の債権買い取り、証券化のビジネスを始めるとのことです。
この商社は、中小の工務店から、戸建て住宅の建築請負代金債権を買い取る事業を始める。
資金調達に悩む中小の工務店にとって、新たな資金調達方法となる。
これに似たビジネスは、外国にはあります。
なぜ、こういうビジネスが、日本には、なかったのでしょうか。
 工務店に限らず、資金繰りに困るのが、中小企業です。
将来、お金が入ってくるのは確実だけれども、今、手許に、お金がない。
こういう中小企業は多い。
だから、受注が急増するのは、うれしいが、
資金繰りの関係で、受注が急増するのは困る。
こういう状態にある中小企業もあるでしょう。
 将来、お金が入ってくるのは確実だけれども、今、手許に、お金がない。
つまり、高い技術力を持っているけれど、今、現在の運転資金がない。
だから、受注は控えめにする。
その結果、会社の高い技術力とは反対に、会社の成長は、低成長となる。
この運転資金の問題を解決しないと、
中小企業は、いつまで経っても中小企業のままとなる。


イスラム銀行 Islamic Banking 2003 8 18

 イスラム銀行は、日本の銀行と違います。
強いて言えば、投資銀行でしょうか。
日本の銀行は、利子をつけることで、預金を集めて、
預金の利子より高い金利で、お金の貸し出しをして、
この金利差で、収益を上げています。
 しかし、イスラム世界では、利子が禁じられています。
だから、イスラム銀行では、いくら貯金しても、利子はつきません。
 今の日本の銀行も、同じようなものかもしれません。
日本の場合は、超低金利政策で、利子がゼロに近くなっています。
 ただ、イスラム銀行では、融資した資金も、貯金と同じで、
金利を取り立てられることはありません。
日本にも、こういう銀行が、ひとつぐらいあっても、いいでしょう。
 さて、どうやって、イスラム銀行は収益を上げているか。
これは、預金者から預かった預金を資金として、
銀行が、事業に投資・運用し、
その運用から得られた運用益を、
預金者と銀行で配分することで、収益を上げています。
投資銀行というか、投資信託に近いかもしれません。
他の方法もありますが、ここでは、わかりやすい例を挙げました。
 イスラム教では、利子をつけることも、利子を取り立てることも禁止されていますから、
このような形態の銀行ができたのです。
 しかし、この「利子のない銀行」は、
日本でも、事業としては、成り立つ可能性があります。
研究してみるのも、価値があると思います。